かわいいコンビニ店員飯田さん

個人協賛について

ご挨拶

かわいいコンビニ店員飯田さん主宰・劇作家・演出家の池内風と申します。
創作団体『かわいいコンビニ店員飯田さん』を立ち上げて13年になり、本公演、企画公演、イベントなど様々形式の公演を行なってまいりました。

特にここ数年でこれまでより多くの方に興味を持っていただける団体になったと感じております。
しかし、実は多くな問題も抱えており、今回今後の活動を継続する上での個人協賛を求めるクラウドファンディングを行う運びとなりました。
今回、クラウドファンディングサイトは使わず、HPにて専用のサイトを作成し、資金を募ります。

協賛を募ることになった経緯

2022年公演『とりあって』(テーマ:ハラスメント)、2023年公演『悼むば尊し』(テーマ:いじめと自殺)共に多くの方に足を運んで頂き、全ステージほぼ満席に近い形で幕を閉じました。しかし、実際は両公演共に赤字でした。

このプロジェクトは、赤字を補填頂くというのではなく、現在の環境を守ったまま今後も活動を続けていくための協賛を募るものです。

しかし実際は赤字が出ており、このままだと活動の継続が難しい状況に陥ることもまた事実で、結局赤字の補填に使うのでは?と感じることもあると思います。
ですので、実状を素直に公開し、応援いただける方を募りたいと思っております。

まず、かわいいコンビニ店員飯田さんは、旗揚げ以降7年かけて黒字になった団体です。
今出来ることを目一杯行い、当時若手の自分達にとっては分不相応な方にも多く出演いただきました。その方々のおかげもあり観て下さった方の印象に残る作品を作り続けることが出来ました。トラブルに見舞われた公演を除き、ほぼ全ての公演で常に動員数を更新していきました。(2022年『とりあって』は、コロナ禍により客席減少により満席でも総動員数が少ない)

7年目にようやく2万円の黒字を達成し、その後も公演ごとに数万の黒字を出し、次に企画された公演ではこれまでの赤字を解消しようとありとあらゆる支出のカットとアイディアだけで望んだ公演が新型コロナウイルスにより本番10日前に中止になり、劇場費やスタッフ代、稽古場代などで100万の赤字となりました。
このダメージにより次に控えていた公演も中止、共に赤字を背負う形となりました。
コロナ禍で支給された特別給付金のほとんどはこうした劇場費や公演中止に伴う補償により消えていきました。

2022年より活動再開し行なった公演『とりあって』は、既に3年も公演を行なっていない団体と安定しないコロナウイルスの関係で劇場入りする前まで旗揚げ公演より低い動員数でした。しかし、運よく初日だけ満席だったこともあり、作品がSNSで評判を呼び一気に動員数が上がり、結果として全ステージ満席となりました。翌年2023年に行なった『悼むば尊し』でも、『とりあって』の印象と作品も再び観客に届き全ステージ満席となりました。同公演にて過去最大動員を達成しました。
しかし、先ほど記載の通り両公演は、実は赤字だったのです。

photo by bozzo

赤字の要因は、主に舞台美術費用(現実空間に限りなく近い舞台セットと数多くの道具(以降具象美術))、消費税と物価の上昇、固定稽古場の費用、予約システムの手数料、スタッフ人件費によるものです。
私たちのような規模の団体では、劇場空間を利用し、いくつかの象徴的な道具(例えば椅子や机など)だけで、舞台美術にお金をかけないで作品を作る団体も多いです。
もちろんアイディアがあり、作品性が一致していれば抽象セットでも面白い作品はたくさんありますし、抽象セットでも物凄く費用がかかることもあります。
私も作品によっては抽象セットの美術で作品を作ります。

しかし、小劇場では舞台美術費にお金をかけられずに簡易的な美術になることもあり、具象美術を選択することが困難な状況にあります。

作品によっては具象美術の方が親和性が高い場合もありますし、かわいいコンビニ店員飯田さんの作る作品の多くは、具象美術を採用しております。

photo by bozzo

具象美術は、劇場のサイズ関わらず大掛かりなセットを立てるために、劇場入りして設置する仕込みに多くのスタッフが必要になります。
また、舞台美術そのものも材料、製作する人件費、プランナーへのデザイン費等々の費用がかかります。

また具象美術では、小道具などの数も多くなり、安全性の確保と作品を内容を深めるために早い段階で固定の稽古場を押さえ、実際本番で使うものをあらかじめ用意して稽古に臨む必要があります。これを怠ると本番間近、もしくは劇場に入った際に初めて実際の机やソファーなどで行うようなことになります。俳優にとっては非常にストレスがかかるもので、そしてミスも生じやすくなります。また作品の深まり方にも影響が及びかねません。

作品の質を高めること、そして心身ともに余裕を持って安全に進めるための環境を整えるとスタッフの数も多くなり、稽古場も高騰していきます。
実際に、予算を抑えようとするとどこかに無理が生じ、ハラスメントや人と人との軋轢を生みかねない状況になりやすくなり、それを回避したいと思っております。

photo by bozzo

また、そしてもう一つ大事なことは俳優の出演料です。
これまで赤字を出しつつも耐えられていた一つ理由は、俳優への出演料を抑えていたからです。今でも十分な出演料をお支払いできていないという自覚はあるものの、この規模で行う団体の中ではかなり無理をした金額をお支払いしています。
コロナ前までの予算と比べて現状3〜4倍に増やしました。これは、お互いプロ意識を保ち、作品をより魅力的にするためにで行うために必要な支出だと考えております。
これまで俳優の出演料に関しては蔑ろにされていた現状を回復させないと小劇場の未来は明るくならないと思っており、従来当たり前であるべき金額だと思っております。
ちなみに赤字に伴い、主宰の池内風はかわいいコンビニ店員飯田さんの公演でギャランティは当然ゼロです。

photo by bozzo
photo by bozzo

現在行っている『空腹』という作品は有難いことに公演が始まる前に全ステージソールドアウトになっております。ですので、壊滅的な赤字になってはいませんが、恐らくほぼほぼ黒字にならない状況です。今後1公演でも予想を下回る動員数になると100万200万の負担を背負う可能性があり、あまりにもギャンブルな公演を続けていく体力と気力が奪われつつあるのが現状です。

こうした中で、出来るだけチケット代を抑え、各セクション自分の仕事に集中し切れる整った環境の中で、良質な作品を目指し続けるために応援いただける方に協賛をいただけたらと思い今回のプロジェクトを立ち上げました。

実現したいこと

photo by bozzo

今後も具象舞台の追求を行なっていきます。
具象舞台が全てなど思っていませんし、作品において抽象舞台が効果的だと思えば、抽象舞台を選択しますが、基本的には具象舞台での挑戦が多いと思っております。
小劇場において具象舞台であるからこそ出来る表現があると思っており、私たちの舞台を通して具象舞台に惹かれ、挑戦しようと試みる団体が増えていけるような魅力的な作品を創作し続けていきたいと思っています。
また安全で作品作りに集中できる稽古場環境の確保を行なっていきたいと思います。

photo by bozzo

これまでの活動

2012年創作団体かわいいコンビニ店員飯田さんを旗揚げ。
2015年『マインドファクトリー〜丸める者たち〜』にて、本番10日前にチケットソールドアウト(王子小劇場キャパ1ステージ70)。
2018年Mrs.fictions 15minute madeに選出。
2019年『手のひら』MITAKA ”Next” selection 19th に選出。
2020年再演『マインドファクトリー〜丸める者たち〜』にて当時最高動員を達成。
2020年12月〜2022年7月まで新型コロナウィルスにより、2公演中止。以降活動休止。
2022年現代ストレスを描く物語第一弾『とりあって』コロナ禍において全ステージ満席にて閉幕。
2023年現代ストレスを描く物語第二弾『悼むば尊し』全ステージ満席にて閉幕。総来客数1054名で過去最高動員を達成。
2024年現代ストレスを描く物語第三弾『空腹』公演中。公演初日を迎える前に全ステージソールドアウト。現段階で総来客数は最高動員を達成。

photo by bozzo

資金の使い道

具象芝居により舞台美術の充実。
俳優への出演料を一段階増やしてより安定した金額を提示。
早期の小道具の調達や仮美術設置など稽古場環境を充実。

リターンについて

一般サポートA
(お礼メール)

1,000円(税込)

一般サポートB
(お礼メール+上演台本)

3,000円(税込)

特典動画A『とりあって』

5,000円(税込)

特典動画B『悼むば尊し』

5,000円(税込)

特典動画C『空腹』

5,000円(税込)

特典動画D
『とりあって』『悼むば尊し』『空腹』
3点セット

15,000円(税込)

最後に

これまで出来る限り自分達の力で、観に来てくださった皆様のチケット代だけ運営をしないといけないと思い、クラウドファンディングなどはしてきませんでした。
しかし、今後の活動を考えたときに気力が尽きそうな気配がだんだん強まり、以前より「何のためにやっているのだろうか?」と考えることが多くなってきました。
私たちが辞めても世界も演劇業界も回り続けることも十分承知しておりますが、でも小劇場の中で安全性と高い質の作品を創作してきた自負もあります。私たちの活動が永続的に続くことを願うのはもちろん、小劇場界の中でも必要とされる現場であり続けたいと思っております。

どうかご支援頂けましたら幸いです。